〒273-0005 |
・歯のクリーニング |
口の中で外科処置をする必要が分野になります。 |
組織のなかに膿がたまった状態のことを膿瘍といいます。う蝕や歯周病など歯が原因で感染し炎症をおこしてできる場合がほとんどです。膿瘍形成の部位により、歯槽膿瘍、頬部膿瘍、顎下膿瘍、口底膿瘍などと呼ばれます。
う蝕が進行すると、歯髄の炎症である歯髄炎をおこします。歯髄炎の後、歯髄壊疽をおこし、根尖孔を通じて感染が歯周組織へと広がった状態を根尖性歯周炎といいます。 根尖性歯周炎は、歯根の尖端部周囲に限局した炎症ですが、進行すると、歯槽骨炎やさらに広範な顎骨炎などに進展します。感染の広がりとともに症状も顕著となり、局所の発赤や腫脹、疼痛に加えて、発熱などの全身症状を伴うようになります。
重症例では、感染は顎骨から周囲の口底や顎下部、頸部へと波及し、急性の化膿性炎症をおこします。これを蜂窩織炎といいます。さらに重症な場合、上顎では眼窩や脳へ波及したり、下顎では頸部を経て縦隔炎をおこしたり、まれに、最も重症である敗血症をおこして致命的となることもあります。
治療は原因菌に有効な抗菌薬をできるだけ早く投与することが、治療の第一歩となります。膿瘍が形成された場合は、切開して排膿させることにより症状は急速に改善します。重症例ではときとして入院が必要となり、栄養療法とともに抗菌薬も、より確実な点滴注射での投与、口腔外切開を要することがあります。なるべく炎症が小さいうちに治療を開始することで重症化を防ぐことにつながります。心配な症状があればご自身で様子を診ずに、早めの受診をお勧めします。
軟組織の外傷
口や顔の皮膚や粘膜にみられる外傷です。顔面皮膚のすり傷(擦過傷)、口唇の裂傷、舌や頬粘膜の咬傷、軟口蓋の穿孔があげられます。創の深さにより、消毒後、縫合処置を要することがあります。傷のなかには異物が混入していることもあるため、縫合の前には精査が必要です。
歯の外傷
○歯の打撲
歯をぶつけた時など、歯や歯槽骨に目立った外傷もなく、単に一時的に歯根膜の炎症のみをおこした場合をいいます。安静にしていると、数日から3,4週間は治癒に要することもあります。
○歯の亜脱臼
外傷により歯が少し抜けかかったもので、歯根膜の一部が断裂して歯が動揺し、さわると痛みを訴えます。歯根の先端で歯髄が断裂し、のちに歯髄壊死をおこすことがあり、長期の経過観察を必要とします。細いワイヤーや接着性レジンを用いて、1か月ほど歯を固定します。
○歯の完全脱臼
歯が歯槽から完全に抜けて歯根膜が断裂した状態をいいます。歯を歯槽内に固定することにより、完全脱臼や脱落した歯でも、再植することにより元通りになることを期待して処置を行いますが、それでも残念ながら予後不良で抜歯を要することもあります。そのためには脱落歯をできるだけ早く受診して、もとに戻すことが重要です。
○歯の破折
外傷や咀嚼によって、歯に亀裂が入ったり、歯が折れたりすることをいいます。硬い食べ物を咬んだとき、臼歯が垂直に割れて痛むことがあります。破折の診断はつけやすいのですが、亀裂の場合は、原因不明の痛みとして扱われることもあるので注意が必要です。歯冠の一部が欠けた場合には、レジンや金属でもとどおりに修復します。歯冠が大きく割れて歯髄が露出しているような場合には、歯髄を除去(抜髄)し、根管治療を行なった後、歯冠を修復します。歯根が大きく折れたような場合は、保存は困難で通常抜歯になりますが、条件がよければ保存できる場合もあります。
顎骨骨折
外傷部位や衝撃の力により、顎の骨が骨折することがあります。噛み合わせが変位したり、顎運動障害を生じて生活に大きな問題を生じます。多くの場合は、病院の口腔外科へご紹介させていただき、適切な精査、加療を必要とします。
顎口腔領域の軟組織や顎骨に発生する腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性腫瘍にはエナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍、歯牙腫、線維腫、血管腫などがあり、悪性腫瘍には癌腫、肉腫、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、悪性唾液腺腫瘍などがあります。腫瘍性疾患は放置していても治ることはありません。当院では口腔外科で長年勤務してきた臨床経験を活かし、臨床所見からの診断、必要な治療を提案することができます。腫瘍の性状や部位、大きさによっては大学病院や総合病院の口腔外科へご紹介させていただくこともあります。早期発見と病変が小さなときに対処することが大切です。気になる症状があれば、まずは受診しましょう。
顎は微妙に入り組んだ形と複雑な機能をもっています。食事をしたり、おしゃべりしたりすると連動して動いています。この顎の関節やその周囲が何かの原因で痛みや動きにくくなるのが顎関節症です。
最近、顎関節の不快感を訴える方が増えてきました。顎が思い通りに動かず、食べ物が噛みにくい。顎を動かすと不快な音がする。痛みを感じて口が開かない。さらに症状は顎ばかりでなく、肩こりとか、腕や指のしびれ、偏頭痛、耳や鼻にも不快感を覚えることもあります。このように症状は広範囲にわたり、人によっては軽い症状から重い症状まで、個人差が大きいのが特徴です。顎関節症の多くは適切な対処で、日常生活に支障をきたすことがない状態にもっていけるものです。症状があれば早めの診察をお勧めします。
顎関節症の誘因としては原因が1つだけではなく、複数の原因が微妙にからみあっていろいろな症状がでることが多いようです。診断学の進歩によって、部分的には明らかにされましたが、いまだにわからない点も多く残っているのが現状です。
一般的に言われる原因は
治療法は顎の運動時痛が強いときは、顎関節の炎症を抑える目的で消炎鎮痛剤を服用します。症状改善がなければスプリント(マウスピース)を上顎に装着します。上下の噛み合わせが均等に接するようになり顎関節への負担を和らげ、顎の関節頭が正しい位置に戻り、筋肉の緊張がとれ、顎運動の改善につながります。また咬合に大きな支障をきたすような義歯や冠などがあれば、その治療をすることで、噛み合わせの関係を治したりします。しかし、それでも大きな改善を認めない場合には、詳しい画像検査(MRI検査)等での精査、加療目的で、病院の口腔外科へご紹介させていただくこともあります。
からだ内部に形成される袋状の物で、病的なものが嚢胞(のうほう)です。 |
![]() |